大きめの鍋は
手放したので
小さめを選んで
買いもとめ
ぬかと一緒に
ぐつぐつ煮る
これまでよりも
拍子抜けするほど
短時間
一晩冷やして
皮をむく
厚いコートのような
その皮は
父が若い頃に
買ったという
重い重い
革コートに似ている
実家片づけの時
古いもの
いろいろ捨てたが
それは
二階の押入れに
残している
そんなことを
思い出すのは
しばらく帰省が
お預けだから
故郷の春が
恋しいからか
皮をむくと
食べられる身は
ほんの少し
水水しくて
若わかしい
欲張って食べたら
あっという間
刻んだ揚げと一緒に
炊き込みご飯にして
一杯でもうれしい
春の味。
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